新たなうれしい一報。
7月クールのドラマ『ノッキンオン・ロックドドア』に出演とのこと。
(個人的にオフィスクレッシェンドの文字は熱い)
改めて私がいま一番みたい役者・松村北斗。
はじまりは“雉真稔”その人で。
2021年の私は何もかもが動かない、動けないような状態で、
目に映るものや思考もすべて仄暗かった。
好きな音楽も聴けない、本も読めないような日々が続いている中で、
何か以前と同じことをひとつだけでもいいから続けられないかと漠然と思って、
それが録画した連続テレビ小説をみることだった。
ただ音は上げることはできなくて消音で。
そしてその日が来た。
菓子屋たちばなの暖簾をくぐって来たひとりの青年。
衝撃だった。
まるで夏の日盛りまでも引き連れて来たかのようなその人に、その姿に、
それまでずっとずれていた私のピントが合うような感じを覚え、
思わずリモコンに手を伸ばし、テレビの音量を久しぶりに上げたのだ。
あの瞬間、私は私の再生ボタンを押せたのだとおもう。
そして“稔さん”を待つ、ということが私のささやかな明日への繋がりになった。
やがてドラマは最終回を迎え、夢中だった数ヶ月を振り返りながら、
強く想い出されたのはやはり“稔さん”だった。
と同時に稔さんを演じた彼のことが気になった。
とてもいい役者さんだと思ったし、この先を楽しくおもえる役者が現れた感じがした。
この時くらいからかな、篠田さんが撮る彼をみてみたいと想ったのは。
だから岩井監督の作品に出演する事実にいまだ震える。
現時点で彼の出演映画は二本控え、7月からはTVドラマも始まる。
それは私にとって灯台のようなものなのかもしれない。
いま『キリエのうた』『夜明けのすべて』に辿り着けるように、
私は日々の凸凹を踏ん張りながらこなしている。